金蔵の主治医を務める老人で、右代宮家が六軒島に屋敷を構えた当時から親交のある数少ない友人でもあります。
新島に病院を持つ開業医でしたが、優秀な息子が充分な修行を終えて帰郷したため、病院を譲り、現在は金蔵の主治医を務める以外は隠居の生活を送っています。
また、金蔵のチェス仲間として古くから屋敷に出入りしており、右代宮の姓を持たず、かつ使用人でない唯一の人間とも言えます。
激しい気性の金蔵に対し、彼は非常に穏やかに無言で聞き役に徹することができる落ち着いた性格です。そんな関係が気に入られたのでしょう。彼は金蔵と何度も喧嘩し、絶縁を突きつけられても、その度に金蔵側から謝り、交際は数十年も続けられてきました。彼も金蔵のそういう性分は理解しきっていて、彼がいくら怒鳴ろうと、大して気にしません。
現在の金蔵は猜疑心の塊で、腹心の使用人しか自分の書斎に入れさせませんが、その唯一の例外が彼です。その為、親族たちは、金蔵の機嫌や、あるいは上申すべきことは彼を通すことも少なくなく、金蔵と息子夫婦の間に立つ緩衝材としての役割も期待されています。
唯一の友人として信頼する金蔵ですが、彼の入院治療の薦めには一向に耳を貸そうとはせず、彼を嘆かせ続けています。
金蔵の余命を3ヶ月と診断した彼は、遺産問題を巡る息子夫婦たちにことある毎に金蔵の健康状態を聞かれるので辟易しています。
※竜騎士07先生のご許可を得て原作ホームページより引用しております |