右代宮家に仕える使用人です。若い彼女ですが、幼い頃から勤め始めているため、若さに似合わず10年近い勤続年数があり、源次に続く豊富な経験を持っています。ただ残念ながら、奥手で物事をはっきり言うのが苦手で、複数の仕事の優先順位を取り違えたり、ミスしたりすることのある彼女は、その長い勤続年数のわりに信頼を得ていません。
彼女は、金蔵が莫大な援助を行っている孤児院、福音の家の人間です。右代宮家は、福音の家に対し、社会勉強の一環として使用人枠の開放を行っており、品行方正な院生に対し、使用人の受け入れを行っています。使用人生活は辛いものですが、高給のため人気があり、数年ほど勤めて充分な資金を稼いでから辞める院生が多いようです。しかし、その中でも彼女の10年という勤続年数は逸脱して長いものです。これは彼女の責任感がなすものではなく、単に内気な彼女が、退職を切り出せず惰性で生活を続けていることにも一因があるでしょう。
緊張してしまうとミスの多い彼女ですが、普段は朗らかでやさしく、トキよりも先に保護すべき絶滅危惧種なほどの献身的女性です。また、福音の家からやってくる若い使用人たちの姉役として、大勢の院生に姉と慕われてもいます。
金蔵は、自らが面接で採用し、自分だけに忠誠を尽くすことを確認した福音の家出身の使用人たちには特別な信頼を置いており、片翼の鷲の家紋をまとうことを許しています。そのことは、気の毒にも家紋を許されぬ家人や使用人にやっかまれる原因ともなっています。
令嬢の朱志香とは歳が近いこともあり、交流があります。
※竜騎士07先生のご許可を得て原作ホームページより引用しております |